輝く瞳の代弁者

冬の山陰から精神を守るため文章を書きます

きれいは汚い 汚いはきれい

2月の後半に金を払って女の裸を観に行った話。

語弊なく言うと浅草ロック座のストリップショーを観に行った話。

 

さっさと勉強に着手すれば良いのに、私の価値なんてそれくらいしか見出せないのに、相変わらず無為に日々を過ごしていた。その間娯楽享楽にふけることもなく、ただただ休みをとっていた。楽しむ体力も苦しむ覚悟もなかった。この頃疲れているのだ。覚悟がないのだ。迷っているのだ。

 

長い休みの中で刺激を欲しつつも怠惰を貪る自己矛盾にずっと目を瞑っていたが、それを脱する機会というのはポンっと偶然にも手に入るものである。

 

私は若さの割に疲れた人だがそれ故、最低限社会を生き抜く為に人との約束は大抵違えない。人と会う約束をすれば這ってでも東京に出る。ただその日を一日間違えてしまった。つまり友人と会うはずの前日に一人、用もないのに私は都内にいた。

 

なんの為に自分は東京にいるんだ?自分への怒りよりも猛烈な虚脱感が勝った。そこで私は安直な考えを思いついた。刺激を得てなんとかこの虚無から抜け出したい。しかし体力も思考力もない。安い刺激。ローリスクな刺激。人間の三大欲求。ヒトのカタチ。原始の興味。他者の裸。

 

ストリップショーであれば観測者である私は物理的になんの影響を受けることもない。それでいて精神に何かしら変化が起きれば上々。女体そのものやそれを活用したビジネスに新しい気づきを得るのも良い。芸術的に触発されるのも良い。なんなら新しい性的嗜好を得ても良い。私は1mmでも良いから変わりたかった。<続く>